文章や生き方を通じてファンの多い
作家の故 向田邦子さんだが、ちょっと
意地っ張りなところ(女の片意地、プライドの高さ)
を感じて、ゆるふわ派?の私は疲れてしまう。

でもエッセイ「水羊羹」での言い切りの
さっぱりしたところは、やっぱりいいなあと
思った。(以下「水羊羹」向田邦子より抜粋)

 まず水羊羹の命は切口と角であります。
宮本武蔵か眠狂四郎が、スパッと水を
切ったらこうもなろうかというような鋭い
切口と、それこそ手の切れそうなとがった
角がなくては、水羊羹といえないのです。

 水羊羹と羊羹の区別の区別のつかない
男の子には、水羊羹を食べさせてはいけません。
そういう野郎には、パチンコ屋の景品棚に
ならんでいる、外箱だけは大きいけど、
ボール紙で着ぶくれて、中身は細くて小さい
いやにテカテカ光った、安ものの羊羹を
あてがって置けばいいのです。

 水羊羹が一年中あればいいという人も
いますが、私はそうは思いません。水羊羹は
冷し中華やアイスクリームとは違います。
新茶の出る頃から店にならび、うちわを仕舞う
頃にはひっそりと姿を消す、その短い命が
いいのです。

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「ひんやりと甘味」河出書房
おいしい文藝シリーズ
ちょっとした時間に読めて
おすすめです!
私は、ほかにも池部良さん、立原えりかさん
内館牧子さんのエッセイが特に気に入りました。
(池部良さんのことは今度書きたいです、
もっと物書きとしての彼も知ってほしいと
思います!!)